ホワイトニングする前に知っておきたい7つのデメリット

ホワイトニングする前に知っておきたいデメリット

基本的には害のないもの

ホワイトニングをしてみたいけれど痛みや危険性はないの?と不安に思う方もおられると思います。

歯科医院で行われるホワイトニングは通常過酸化水素という薬剤で色素を漂白するこことで歯を白くしますので、歯を削ったり溶かせたりといった不可逆的な構造変化をもたらすわけではありません。

その安全性については長年の研究や臨床であきらかになっており、ホワイトニングをしたからといって後々歯に何か悪い影響がでるようなものでもありません。

ただし誰にでも均一の効果が出るわけではありません。またホワイトニングにはいくつかのデメリットもありますので事前に知ったうえでおこなってください。

使用する薬剤と安全性

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①過酸化水素
あまり知られていないことですが、現在ホワイトニングの薬剤として使用されているものはそのほとんどが過酸化水素を主成分とするものです。

過酸化水素は体や口の消毒にも使用されておりまた長年様々な実証研究を経てFDA(米国食品医薬品局)においてもその安全性を認証されています。

②過酸化尿素
主にホームホワイトニングで使用されますが過酸化尿素は自然分解し過酸化水素と尿素にわかれますので基本的な効果は過酸化水素と同様です。

ただ分解の結果過酸化水素の濃度が1/3に下がることにより漂泊効果も弱くなります。一方反応の過程がゆっくりであることから痛みが出にくいというメリットもあります。

③酸化チタン・窒素など
近年では反応を促進させるために光を照射するのが一般的ですが、反応を促進する触媒として微量の酸化チタンや窒素を配合することもあります。

これらは食品にも使用を認められているものですので安全面では特に問題ないといえます。

ポリリン酸・メタリン酸
ポリリン酸は医薬部外品のため一般の人でも簡単に手に入ります。そのため歯科医師免許を持たないエステサロンなどで使用されています。メタリン酸はポリリン酸とリン酸の混合物で基本的な効果はポリリン酸と同様です。どちらも歯の表面の着色を分解する効果があるので白くなったように感じられますが、過酸化水素のように歯を漂泊する作用は全くないので回数を重ねてもあまり効果はありません。

 

デメリット①ホワイトニングには痛みが出る場合がある

歯の構造は表面にエナメル質その内側象牙質があり、歯の中心にある神経を保護しています。エナメル質に知覚はありませんがその内側の象牙質には無数の小さな穴(象牙細管)があり神経に繋がっています。

エナメル質が削れていたり薄くなっていたりして象牙質までホワイトニング剤が浸透すると神経まで届いて痛みが出ることがあります。

痛みの種類は瞬間にズキッと刺すような感じの痛みで。この痛みは一過性のものでホワイトニング後通常1時間以内、遅くても24時間以内におさまりますが、我慢できない場合は痛み止めの薬を服用してください。

より詳しく知りたい方は⇒ホワイトニングの痛みと対処法をご覧ください。

デメリット②ホワイトニングの効果は永続的ではない

全ての色の付いた飲食物には基本的に着色性があります。ホワイトニングによって一旦白くなった歯も当然の事ながら日々の飲食によってごくわずかずつですが再び着色が始まりますので放っておけばまた元の色に戻ります。

ホワイトニング効果の持続期間
個人差はありますが、オフィスホワイトニングでは放っておけばだいたい3か月~6ケ月くらいで元の色に戻ります。

ホームホワイトニングでは長期間かけて歯の奥深くまで漂泊するため持続期間も長く6ヶ月~1年程度もつといわれています。

より詳しく知りたい方は⇒ホワイトニングの必要期間と持続期間をご覧ください。

デメリット③ホワイトニングにはメンテナンスが必要

いずれにしても期間の長短はあれ色戻りは避けられません。希望の白さを維持するためには2か月~半年に1回程度定期的にメンテナンスとしてのホワイトニング(タッチアップ)をする必要があります。

歯磨き等の日常的なケアによって持続期間も変わってきますので効果を長く持続させたい方はきちんとした歯磨きや定期的なクリーニングなどで歯の汚れをしっかり落とすことを心がけてください。

デメリット④ホワイトニングにはランニングコストがかかる

ホワイトニングは上記の通り効果を維持するためには定期的におこなうことが必用なのでランニングコストがかかります。

限界まで白くしたい方や割安にメンテナンスをしたい方は私どもスターホワイトニングのように一定期間通い放題のフリーパスのようなものを設定している医院おおすすめします。

デメリット⑤ホワイトニングには施術直後の食事制限がある

ホワイトニングをすると歯の表面を覆っている薄い膜が剥がれます。12時間~24時間ほどでこの薄膜は再生しますが、その間は着色しやすい状態になるのでなるべく下記のような着色しやすい飲食物を避ける必要があります。

カレー、チョコレート、醤油、ケチャップ、コーヒー、紅茶、ウーロン茶、赤ワインなど

より詳しく知りたい方は⇒ホワイトニングの色戻りを防ぐ食事と歯磨きをご覧ください。

デメリット⑥ホワイトニングをすると一時的に歯が弱くなる

また過酸化水素の効果によって歯のエナメル質の表面のカルシウムが一時的に失われます。これを脱灰といい歯の表面がでこぼこした状態になります。

こちらも12時間~24時間で再石灰化と言ってもとに戻りますが、その間は外部からの刺激を受けやすいので酸性の食品は避けるなどの工夫をした方が良いでしょう。

食事制限のないホワイトニング
ホワイトニング後に着色がしやすいのは歯の表面の層がはがれ表面がでこぼこになるためです。最近では施術後に特殊なコーティング剤を塗布することによって歯の表面を保護することによって食事制限の必要がないホワイトニング方法もあります。

デメリット⑦ホワイトニングには効果が出にくい歯がある

着色の度合いが高い歯

加齢による経年変色など着色は白くなりにくいため希望の白さになるまでには時間はかかります。

横に縞模様がある歯

褐色と白色の縞模様のような横線が入っているとその部分はホワイトニングでは白くなりにくいです。
更にその部分以外が白くなることで一時的に縞模様が目立ってしまうこともありますが時間が経てばある程度色はなじみます。
全体的に白くしたいのであれば、何度かホワイトニングを繰り返す必要があります。

部分的に白いところがある歯

ホワイトスポットと呼ばれるものですがこれは初期の虫歯やエナメル質の形成不全によるもので縞模様と同様ホワイトニングをするとその部分だけが一時的に目立つことがあります。
ホワイトニングを継続することでホワイトスポットが薄くなる、あるいは歯の他の部分をその色に近づけることでなじんできます。

テトラサイクリン歯

風邪薬のシロップなどに一般的に使用されていたテトラサイクリン系の抗生物質を歯の形成期(0~12歳)頃に服用することで象牙質にグレーがかった着色やバンディングが生じてしまった歯です。
現在ではテトラサイクリン系の薬剤は使用が控えられていますが今成人されている方で悩まれている方が多いようです。

こちらも白くするのに時間はかかりますがよほど重度でなければ根気よく続けることでそれなりに白さを得ることができます。

被せ物や詰め物の歯

ホワイトニングによって白くなるのは天然歯のみです。被せ物や詰め物などを補綴物と言いますがこういった人工の歯にはあまり効果がありません。
特に保険のレジン(プラスチック)の歯などの場合、経年変色するのでホワイトニングで白くした天然歯との色の違いが目立ってしまうことがあります。
天然歯をホワイトニングで希望の色まで白くした後にそれに合わせてセラミックなどで治療をやり直すことをおすすめします。

神経のない歯

自分の歯でも神経がないまたは死んでいる場合には通常のホワイトニングの効果は期待できません。
しかし直接歯の内部に薬剤を充填するウォーキングブリーチという方法で失活歯もホワイトニングをすることができます。

以前は保険適応の治療でしたが近年保険の適応外となり一度薬剤を入れる穴をあける必要があること色合わせが難しいなどの理由から現在では実施している医院は少数なのでラミネートべニアなどの審美セラミックによる治療の方が一般的です。

より詳しく知りたい方は⇒ホワイトニングで歯が白くならないケースと対処法をご覧ください。

ホワイトニングができない方

虫歯や歯の表面にヒビがある方

ホワイトニングをする歯に大きな虫歯やクラックがあると薬剤がしみてしまうため施術は避けるのが無難です。
オフィスホワイトニングではその部分だけ薬剤を塗らずに施術できることもありますがホームホワイトニングでは自分で保護をするのが難しいため事前に歯科医の診断を受け必要がある場合は虫歯などの治療をしてからホワイトニングを行いましょう。

知覚過敏がある方

重度の知覚過敏を生じる場合はただ痛いだけでなく神経に悪影響を及ぼしている可能性もあるので事前に歯科医によるしっかりとした診断が必要です。
歯ぎしりによる歯の先端のすり減りや歯磨きのしすぎによる歯の根元の摩耗の場合はその部分を保護して行うこともあります。
基本的には過酸化水素は濃度が高いものほどしみやすくなりますので、こういった方は濃度の低い薬剤を用いたものやしみにくくする成分を配合したホワイトニングを選ぶと良いでしょう。

妊娠・授乳中の方

ホワイトニングの薬剤が妊娠・授乳中の方に悪影響を及ぼすという報告は実は今のところありませんが、逆に安全であるという研究もないため多くの歯科医院では万全を期するため施術を避けるのが一般的です。

無カタラーゼ症の方

遺伝的に過酸化物の分解ができない体質の方です。進行性口腔壊死などの危険な疾患を招く危険性があるためこのような方には一般的な過酸化水素を用いたホワイトニングは禁忌となります。

光過敏症の方

オフィスホワイトニングの場合は薬剤の反応を促進させるためにLEDやハロゲンなどのライトを照射しますのでこのような症状をお持ちの方は施術が難しくなります。
光過敏症の方向けに光照射の代わりに薬剤の濃度を高めたホワイトニングもありますが、行っている医院は少ないためホームホワイトニングを選択するパターンが多いようです。

まとめ

歯のホワイトニングは既に長い歴史があり安全性は確立されていますが効果は人によって異なります。痛みの出る場合があったり効果が永続しないというデメリットもあります。またそもそもホワイトニング効果ない歯やできない場合がありますのでホワイトニングをする前にはそれらを理解した上でおこなってください。

ホワイトニングについてもっと詳しく知りたい方はまとめページ⇒ここを見ればホワイトニングの全てがわかる!をご覧ください。

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田井 寿一歯科医師 医療法人社団百星会 理事長

投稿者プロフィール

【ホワイトニング専門歯科クリニック】スターホワイトニング総院長
2014年 東京医科歯科大学卒

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