ホワイトニングで歯が白くならないケースと対処法

ホワイトニングで歯が白くならないケースと対処法

歯を白くしたいと思ってホワイトニングをやってみたけど、思うような白さにならなかったということがあります。
原因としていくつか代表的なものとその対処法をご紹介します。

ホワイトニング効果の出にくい歯

きちんとしたホワイトニングをおこなっても効果が少ない場合があります。

いくつかの理由が考えられますが、なかでも歯そのものに原因があるのは下記のような歯です。

加齢により黄ばんだ歯

加齢とともに黄ばみは自然に強くなっていきます。こういったケースでは1回ホワイトニングをしただけでは思ったほど白くならず希望の白さに近づけるまでには相当の回数が必要となります。

テトラサイクリン歯

テトラサイクリンとはひと昔かぜ薬などに一般的に使用されていたテトラサイクリン系の抗生物質を歯の形成期(0~12歳)頃に服用することで、象牙質にグレーがかった着色や縞模様が生じてしまった歯です。

現在ではテトラサイクリン系の薬剤は使用が控えられていますが、今成人されている方で悩まれている方が多いようです。

歯に白や褐色の横縞模様があると、全体が均一な白さになるまでホワイトニングを繰り返すケースが多いです。

ホワイトニング効果の出ない歯

上記のような白くなりにくい症例は、根気よくホワイトニングを続けていくことで徐々に白くなっていきますが、ホワイトニングの効果が基本的に出ない歯というのもあります。

神経のない歯

歯の内部にある神経(歯髄)を虫歯の治療などで除去してしまった、あるいは、何らかの理由で死んでしまった歯は、通常のホワイトニングではほとんど白くなりません。こういった歯を白くしたい場合は、セラミックなどの人工物を被せるか、ウォーキングブリーチという特殊なホワイトニング法があります。詳しくは後述します。

人工の歯

ホワイトニングの漂白作用は基本的に天然の歯にしか効果がありません。従ってセラミックやプラスチックの人工歯は白くなりません。

特に保険診療で使われるレジンと呼ばれるプラスチックの詰め物は着色がしやすいためホワイトニングで他の歯が白くなるとその部分だけ目立ってしまうので注意が必要です。

歯が白くならないその他のケース

歯自体に問題がない場合に考えられる理由がいくつかあります。

過酸化物を使用していない場合

ホワイトニングは過酸化水素という漂白作用を持つ薬剤を使って歯の着色を分解して歯を白くします。ただし日本ではこのホワイトニングは法律上歯科医院でしか施術できません。

最近エステなどでおこなういわゆるセルフホワイトニングというものが増えており、名前から歯科医院のホワイトニングと効果は同じと思われている方が多くおられます。

実際は使用する薬剤が全く異なり、セルフホワイトニングでは漂白作用は一切ありません。強力な洗剤を使用していますので歯の表面の着色を除去する作用はありますが、効果は限定的となります。

期待する白さのレベルが高い場合

実は最も多いのがこのケースです。

歯のホワイトニングは歯の汚れだけでなく内部の着色まで落としますので必ず元の状態よりは白くなります。

しかし初めてホワイトニングをする方はホワイトニングを1回しただけで見違えるような白さになるとイメージしている方が多おられます。

実際には1回のホワイトニングでの効果には限界があり、はっきりとした白さにするためには定期的に一定期間繰り返し行う必要があります。

元の歯が白い

当然のことですがどれだけ白くなるかというのは元の歯の色との比較です。

従って元の歯が比較的白い場合はいくらホワイトニングをしてもそれほど変化はありません。

白くならない場合の対処法

オフィスホワイトニングやホームホワイトニングだけでは白くならない場合の対処法について説明します。

事前にクリーニングをする

歯の表面の着色や汚れが付着していると、ホワイトニングの薬剤を十分に浸透せず、効果が出 にくいことがあります。タバコのヤニやコーヒーやワインなどの色の濃い食品の着色が気になる方は、先にクリーニングで歯の表面をキレイにしてからホワイト ニングをするとより効果的です。

デュアルホワイトニングをおこなう

ホワイトニングで白くなりにくいケースでは、基本的には根気よくホワイトニングを継続していけば、徐々に効果が現れてきます。

特に白くなりにくい歯に対しては、歯科医院でのオフィスホワイトニングと、自宅でのホームホワイトニングを並行して行うデュアルホワイトニングをおこなうとはっきりとした効果が期待できます。

セラミック治療をおこなう

白くなりにくいケースの中でも、特に難しい症例の方や、ご紹介したホワイトニングでは効果がない歯を白くしたい場合は、セラミックなどの白い素材による審美治療があります。

よくあるケースとしては、ホワイトニングで天然の歯が白くなったことで、着色した保険の詰め物や銀歯が目立ってしまうので白くしたいというケースです。

ホワイトニングで希望の白さにまでなった後に、それに合わせて詰め直す、被せ直すのが一般的ですが、基本的には、ホワイトニングと同様自由診療になるため、治療費が高額になります。

まとめ

歯のホワイトニングの漂白作用は強力なため通常は一定の効果がありますが、なかには効果が期待できない場合もあります。

大きく分けて歯そのものに原因がある場合とそれ以外の要因に分けられますが、理由をきちんと把握した上でそれに合った対処をしましょう。

ホワイトニングについてもっと詳しく知りたい方はまとめページここを見ればホワイトニングの全てがわかる!をご覧ください。

田井 寿一歯科医師 医療法人社団百星会 理事長

投稿者プロフィール

【ホワイトニング専門歯科クリニック】スターホワイトニング総院長
2014年 東京医科歯科大学卒

この著者の最新の記事

関連記事

ページ上部へ戻る