最近色々なことに効果がある万能材料として取り上げられることもある重曹(じゅうそう)。
その一つとして歯のホワイトニング効果があると話題になりましたが実際どの程度効果があるのでしょうか。

今回は重曹を使った歯磨きの効果について実験をした結果を報告します。

重曹ホワイトニングのやり方

まずは重曹を用意します。価格は非常に安くネット通販でも手軽に入手できます。

重曹をそのまま歯ブラシにつけて普通に歯磨きをするだけです。歯磨き粉と違って泡立たないので物足りないと感じるかもしれませんが、そもそも歯磨き粉の泡自体には汚れを落とす効果はありませんので気にしないで大丈夫です。

重曹のホワイトニング安全性

口の中に入れるものですので一応安全性についても評価しておく必要があります。

重曹とは重炭酸曹達（ソーダ）の略称で化学物質名は炭酸水素ナトリウムといい基本的には塩の一種で食品添加物として認められていますので安全性には全く問題ないと考えられます。

重曹のホワイトニングの原理

重曹はおおまかに言えば塩ですので当然のことながら歯科医院でおこなうホワイトニングのような漂白効果はありません。

一般的に言われている重曹で歯が白くなる効果は歯の表面の汚れを落とすクリーニング効果です。歯の着色の多くは酸性の汚れでありアルカリ性の重曹が歯の表面に着色汚れと結合しているタンパク質を加水分解効果的落とすことができます。

また重曹のザラザラした粒子が研磨剤としてはたらくため効率的に歯の汚れを落とすことができるというのが重曹ホワイトニングの原理です。

ホワイトニング歯磨き粉と比較すると？

薬事法の関係で日本で販売されている歯磨き粉には歯科医院で行うような漂白成分は添加できません。
いわゆるホワイトニング歯磨き粉はいかに歯の表面の着色汚れを効果的に落とすかというクリーニング効果を重視したものです。

そのクリーニング効果に着目して実は重曹は昔から数多くの歯磨き粉にも配合されています。

重曹ホワイトニングの実際の効果

しかしホワイトニング用歯磨き粉と比較してどちらが効果があるかというのは理論ではわかりませんので実際に実験してみました。

実際の歯でやると効果がわかりにくいので今回の実験もコーヒーで強力に着色したホタテ貝の殻を使用し、普通の歯磨き粉と重曹でブラッシングして汚れの落ち方を比較してみます。

着色させた元の貝殻はこちらです。

今回も比較に使ったのはホワイトニング歯磨き粉として有名なリナメルの最上級商品トリートメントペーストです。ちなみに値段は50gで2800円前後とかなり高額商品です。

左側にリナメルを付けてブラッシングします。

30秒程度ゴシゴシと磨きました。

水で落とすと、はい結構汚れが落ちましたね。

次はアマゾンの通販で購入した重曹です。

今度は右側に重曹を付けてブラッシングします。

こちらは歯ブラシに水を付けて30秒ほど磨きます。

水で落とすと・・・、ええっ！本当に！？

重曹の方が明らかにしかも驚くほど白くなりました！

ここまで白くなるとは予想していなかったので正直びっくりです。

重曹ホワイトニングのデメリット

驚くほどホワイトニング効果のあることが判明した重曹ですが、ここはやはりデメリットも考慮しておかなければなりません。

磨きすぎによる歯の削れ

クレンザーの代わりとして汚れ落としに広く用いられているように、磨いている時の手に伝わる感触ではやはり重曹の粗い粒子による研磨作用が大きいように感じました。

つまり重曹による歯磨きは歯の表面のエナメル質が削れてしまう恐れがあるということになり、使用する量や磨く強さには気を付ける必要があります。

エナメル質が削れると中の象牙質の色が出て逆に黄ばみが目立ったり知覚過敏になったりします。

口の中の粘膜への強い刺激

重曹には油脂やタンパク質を分解する加水分解作用があります。
水に溶かした重曹を指でこすってみるとぬるぬるすることからもわかるように皮膚や粘膜に対する刺激性があります。

歯石が沈着しやすくなる

実は口の中がアルカリ性に傾くと歯石がつきやすくなります。
歯石自体には害はありませんが虫歯や歯周病の原因となる細菌が繁殖しやすくなります。

まとめ

最近噂の重曹歯磨きのホワイトニング効果ですが実際に実験したところ驚くほど汚れを落とす効果があることがわかりました。ただこれは歯科医院のホワイトニングのような漂白効果ではありませんので、汚れが落ちるということはそれだけ強い研磨作用が働いているということになります。やりすぎると歯の表面が削れて思わぬデメリットが生じる可能性がありますので注意しておこなってください。

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